鳥用飼料のパッケージ
グリムズビーにあるHaith社では、鳥用飼料の生産工程にアトラスコプコの圧縮空気と窒素の装置を導入しています。同社は窒素を利用して、製品の保存期間を延ばし、エネルギー効率を最大限まで高めています。Haith社の各種鳥用飼料のパックにはかの有名なビル・オディの顔が印刷されており、国内1,500店のペットショップとスーパーマーケットに並べられています。
新工場計画に沿って、新しい30,000平方フィートの生産施設に移転することになりました。新工場では、最高の効率でエネルギーを使用し、将来の拡張に備える必要がありました。以上の要件を満たし、保存期間を延ばすソリューションとして、アトラスコプコのエネルギー効率に優れた圧縮空気システムと窒素生成システムが導入されました。
工場内では、平均圧力7~10 bar、流量15~82 l/秒の空気がGA 30 VSDロータリスクリュコンプレッサにより供給される一方、アトラスコプコ窒素生成システムにもこのコンプレッサから空気が供給されます。インバータ駆動が採用されているため、生成装置の需要に応じて流量と圧力が自動的に調整されます。必要に応じて、VSDコンプレッサの圧力設定を調整することにより、流量を調整できます。ガス置換包装(MGP)が採用されている理由は、数多くの食品が空気中の水分の蒸散や吸収、酸化、微生物やカビなどの好気性微生物の増殖が原因ですぐに腐敗してしまうからです。生鮮食品をガス置換雰囲気で保存すると、化学反応や生化学的劣化反応を遅らせ、腐食の原因となる微生物の増殖を遅らせたり防ぐことで、品質を保持し、製品の保存期間を延ばすことができます。
MGP用途には窒素が最適です。窒素は乾燥した不活性ガスで、無臭、無味、無色です。また、空気よりも密度が低く、不燃性で、水やその他の食品成分への溶解度が低いという特徴があります。 窒素は好気性微生物の増殖に不適で、好気性菌による腐敗を防ぎます。パッケージ製品内の窒素溶解も低いのでパックのへたりもなく、製品の見栄えが向上します。アトラスコプコのPSA窒素生成装置の動作原理は、圧力スイング吸着(PSA)技術をベースとしており、炭素モレキュラーシーブ(CMS)により、最適の純度で窒素を連続供給します。酸素が選択的に分離され、同時に窒素が12~24 m3/時の速度、純度98~99%のオーダーで連続生産されます。これにより、鳥用飼料パッケージ内の酸素量を最大1.4%に抑えます。 グリムズビー工場の空気/窒素配管はすべて、アトラスコプコのAIRnetモジュールネットワークシステムが採用されています。内面が滑らかな耐腐食性アルミニウムパイプに自動位置合わせ式完全密閉ポリマーフィッティングを装着しているので、空気漏れがありません。しかもクリーンな空気が供給されるので、下流の機器と生産工程が保護されます。内腔が滑らかなので所望の流量とシステム圧力を維持でき、エネルギーコストが減ります。圧縮空気システムにはアトラスコプコのOSCオイル/水セパレータが装備されており、コンプレッサの凝縮水を優れた環境効率で収集し、排出します。Haith社アシスタントマネジャーのカール・ボイントン氏は、新しい設備について以下のようにコメントしています。「アトラスコプコは圧縮空気技術と窒素技術の両面に高い専門知識を有しており、関係者全員が満足しています。包装された製品は無菌で保存期間が延び、将来の拡張にも対応するエネルギー効率に優れたシステムが実現しました。」