空圧式穀物輸送システム
サイロ間、加工施設内、トラック、列車、船舶など、世界各地では驚くほど大量の穀物を常に移動させる必要があります。
近年、空圧式輸送が推奨される（および最善の）輸送方法となりつつあります。この方法は、優れた効率性と信頼性により、穀物加工業者に財政面と運用面でメリットをもたらします。
ただし、空圧式穀物輸送システムの可能性を最大限活用するには、正しい機器が必要です。
穀物の輸送方法
空圧式輸送は、穀物などのバルク材料の輸送に理想的なテクノロジーです。ただし、穀物はどれも同じではありません。粒径、重量、種類が、必要な流量と圧力に影響するため、必要なブロワやコンプレッサのサイズも異なります。幸いにも、移動させる穀物の種類に理想的に対応する、各種の空圧式輸送システムが用意されています。特に、希薄相と濃密相輸送には違いがあります。穀物の場合、希薄相と濃密相のどちらも使用できますが、これも空圧式輸送が輸送に最適なテクノロジーであるもう1つの理由です。
材料を輸送する相を把握することに加えて、新規または既存の設備のサイズを検討する必要があります。さらに、輸送する穀物の種類に最適な流量と空気圧を確認しなければなりません。スムーズで効率的な輸送プロセスを実現するには、システムのサイズを正しく設定する必要があります。ブロワやコンプレッサのサイズが不適切な場合、高額のエネルギーコスト、頻繁に起きる閉塞、荷下ろしの長時間化などにつながる可能性があります。
穀物輸送時に考慮すべき安全性と品質面
他のバルク材料とは異なり、穀物を輸送する場合は、特定の食品安全基準に準拠する必要があります。また、穀物の粉塵はきわめて可燃性が高いため、生産/加工施設の物理的な安全性も考慮する必要があります。
いずれの理由においても、穀物は40℃未満で輸送する必要があります。上記のすべてが、爆発を引き起こしたり、穀物の品質を損なう可能性があります。
さらに、空気が輸送材料に直接接触するため、このプロセスでは、オイルフリーのブロワ/コンプレッサを使用して、製品のオイルによる汚染を確実に防ぐことが重要です。
最適な空圧式輸送システムの設計
正しく設計されたシステムは、上記の問題すべてに対処し、品質を損なうことなく、大量の穀物を効率よく、安全に移動させることができます。
穀物輸送用のオイルフリーエアブロワとコンプレッサ
最適なシステム効率を実現するには、適切なサイズのブロワまたはエアコンプレッサが必要です。正しいサイズを特定するのは困難で、特殊なソフトウェアが必要になる場合もあります。既存の設備に対処する場合においても、古い機器1台を新しい機器1台と入れ替えることは、必ずしも最も効率的なソリューションではありません。そのため、新しいブロワやコンプレッサに投資する前に、必ずサイジングを行う必要があります。
クラス0によるオイル汚染防止
以上に加えて、お客様の穀物輸送システムに最適なコンプレッサまたはブロワが、クラス0認証またはオイルフリーの空気を供給する必要があります。クラス0認証により、圧縮プロセス中の空気にオイルが混入することはありません。
高リスク環境向けの認証
穀物の種類によっては、爆発を防ぐため、高リスク環境での稼働向けに認証を取得した機器が必要です。地域および国の規制を確認して、お客様の機器が関連するすべての要件を満たしていることを保証する必要があります。
アフタークーラ
穀物の種類によっては、空気を一定温度未満に維持する必要があります。ほとんどの種類の穀物において、40℃を超えないようにする必要があります。そのため、コンプレッサやブロワに加えて、アフタクーラが必要です。アフタクーラは穀物の燃焼を防ぎ、品質を維持します。
一部のコンプレッサには、アフタクーラが内蔵されています。ブロワの場合は、別途取り付けが必要です。水冷式アフタクーラを選択した場合は、チラーの追加が必要なこともあります。チラーは水温を制御できる一定レベルに下げて、アフタクーラが確実に動作できるようにします。
水分離器またはドライヤ
アフタクーラによって水分が発生するため、穀物の品質を維持するために、水分離器やドライヤも追加する必要があります。ほとんどの内蔵アフタクーラには、内蔵式水分離器が装備されています。
場合によっては、水分離器の代わりにドライヤを使用して、空気中の水分を除去できます。
流動化の役割
サイロから穀物を輸送する際、圧縮空気をいわゆる「流動化」プロセスに使用することもできます。この場合、サイロ底部の側壁に極低圧の空気が吹き込まれます。これにより、穀物がサイロ側面に付着することなく、輸送が容易になり、エネルギーコストが削減されます。
穀物などの食品材料の場合、国際的な品質基準では、圧縮空気を冷却して、水分を除去することが求められます。つまり、食品以外の材料の流動化プロセスとは異なり、サイロ内で穀物を流動化する場合は、アフタクーラ、水分離器、ドライヤなどの補助機器が必要になります。
穀物輸送システムの最適化にサポートが必要ですか?
旧式の圧縮空気システムをどのように新しいものと交換したらよいかご不明な場合は、当社がお手伝いいたします。正しい設置サイズが重要です。それにより、エネルギーコストを節約できるだけでなく、荷下ろしの時間を短縮し、閉塞を回避することもできます。正しい設置サイズ計算は難しく、特定のソフトウェアとスキルが必要です。当社は、無料のサイジング計算サービスを提供し、お客様の最適な希薄相空圧式粉末輸送システムの選択をお手伝いします。
穀物輸送システムのチェックリスト
- 適正サイズのエアブロワまたはコンプレッサ
- クラス0認定
- 可燃性物質輸送の認証
- 空気を冷却するアフタクーラ
- 湿度を除去する水分離器またはドライヤ
