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5つのステップでフロードリルファスニングを点検する方法

自動車部品の製造において、FDF接合を高品質を保つことは非常に重要です。しかし実際の生産ラインにおいて、それぞれのFDF接合を点検するのは困難な場合があります。アトラスコプコエキスパートがお勧めする、簡単な5つのステップのジョイントの品質チェック方法を参考にしてください。

フロードリルファスニング 締結ソリューション 産業 記事 トピック 接合ソリューション 取扱製品一覧 コンテンツの種類

ステップ1:ファスナーのコーティング

FDFジョイントの評価を行う前に、最初のステップとして、ファスナーの目視検査を必ず実施してください。ファスナーには腐食から保護するため、亜鉛ニッケルや亜鉛フレークなどが平滑にコーティングされています。コーティングに大きな損傷がある場合、腐食のリスクが高まります。

アトラスコプコエキスパートの推奨事項:

部品を不測の腐食から保護するには、必ず使用前にファスナーが均等にコーティングされているか、パッケージに記載される部品種類にファスナーが適合しているかを確認してください。

ステップ2:ファスナードライブの位置

ファスナーヘッドの最終接合位置の確認は非常に重要です。不適切な接合はジョイントの強度と耐腐食性に影響することがあります。接合プロセスにおいてパーツが確実に固定されていないと、接合を行う部品は接合中にずれることがあり、接合強度が弱くなってしまうことがあります。このとき重要なのは接合のタイプを「プロセススポット」と「構造機能スポット」に分けて考えることです。理由はそれぞれ2つのタイプの接合の要件が異なるからです。

2.1 プロセススポット

プロセススポットとは構造的な要求が特にはなく、ジョイント位置を安定化させるための接合です。このタイプの接合は、構造用接着剤を塗布して接着剤が完全に硬化するまで接合箇所が動かないようにする目的で多く用いられます。

K-Flow Process Spot requirements
プロセススポットの接合品質良条件
• ファスナーが被接合材の十分に深い位置まで挿入され、確実に固定をしている状態になっていること。
• プレホールがある場合、ファスナーヘッドが上板を固定し、締付荷重がかかっていること。

プロセススポットの品質不良の例
ファスナーが斜めに入っており、ファスナーヘッドと上板面の間に少し隙間ができている状態。


品質がOKでない場合、以下の内容を確認することを推奨します。


…スレッド形成プロセスの回転速度
たとえば回転速度が低すぎる場合、最適なスレッド形成トルクを超過して、プロセスコントローラによる締結に失敗します。その場合、ファスナーは正しい状態になく、不完全な接合になります。


… 最終締付時のトルク
最終トルクが低すぎると、締付負荷が不十分、または全くないため、ジョイントがうまく固定されません。その場合、最終工程のトルクパラメータを調整して、ツールがファスナーを正しい仕様に合わせて締付できるようにしてください。

2.2 構造機能スポット

構造機能スポットは、高強度の特性を持ちます。特に構造用接着剤を使用し、ハイブリッド接合にすることにより、より高い強度を持ちます。FDF接合を用いた構造機能スポットは溶接工場のアンダーボディ工程、フロント&クラッシュ工程、フレーミング工程などで、特に使用されます。

K-Flow strength spot
構造機能スポットの良条件
• ファスナーヘッドが上板面に水平に固定されており、ファスナーヘッドと材料面の全体に全く隙間が無い状態になっていること。

構造機能スポットの不良条件
• トルクレンチを用いてファスナー締付の確認を行った際にファスナーが抜け落ちる。
• ファスナーヘッドの下部に隙間がある。
• ファスナーヘッドの片側だけで材料面を支持している。

品質がOKでない場合、以下の点を確認することを推奨します…

…ロボット位置
ロボット位置の角度が締付面に直角(または垂直)ではない場合、ファスナーが部品に対して正しくない状態で組付けられ、ジョイントに不具合が発生するおそれがあります。この場合、ファスナー取付の強度が落ちたり、ジョイント部に隙間から腐食が生じるおそれがあります。ロボットの材料面に対しての角度を調整します。

…部品のクランプ
FDF工程では回転方向への大きな荷重がかかるため、自動車本体部品のクランプ/保持が不十分でずれが生じた場合には、ヘッドの一部のみが上板を抑えている状態になっているおそれがあります。

…部品の正しい位置合わせ
組立部品は、相互に隙間なく取り付けられている必要があります。通常、システムにより部品を保持する力がかかるため、締付時に部品が適切な位置に固定しようとしますが、工程で部品が完全に動かないようにするには、クランプや適切なサポートが必要です。

…スレッド形成プロセスの回転速度
不適切な回転数がスピンドルに適用されると、ファスナーヘッドと上板の間に隙間が生じるおそれがあります。この原因は予想されたより高いトルクがスレッド形成のステップで発生しているためで、接合面の損傷を防ぐためにプロセスが停止します。この原因として、スレッド形成の回転数が接合する材料にとって低すぎることが考えられます(通常、鋼の場合低速、アルミ系材料の場合高速に設定します)。

…最終締付時のトルク
ジョイントが不良になるもう1つの問題は、最終締付トルクに到達できない状態です。締付トルクが高すぎると、最終締付プロセスでスレッドを破壊するために、トルクが規定値に達せず、プログラムが途中で停止します。

ステップ3:プレホールのカバー

ファスナーがプレホールを完全にカバーするようにスクリューを挿入する

プレホールをファスナーがカバーしていない場合

フロードリルファスニングは、接合を片側から実施でき、材料上板にプレホールが必要ないために採用されることがあります。ただし例外として、総板厚の非常に厚い板組、ダイカスト材や特殊な異材の組合せ、特殊な接合要件(熱伝導性が必要な接合など)があります。このような場合にはプレホールのある材料を採用しますが、その際は接合条件に追加して、スクリューヘッドがプレホールをカバーすることが必要になります。

一般的にプレホールのないジョイントでは、腐食による影響は少なくなります。プレホールを採用し、ヘッド下に隙間がある場合、ファスナーヘッド下や接合層間に水分が入り込み、腐食する可能性が生じます。そのためハイブリッド接合に使用される構造用接着剤やシーラントが重要な役割を果たします。

プレホールが完全にカバーされていない場合、以下の点を確認することを推奨します…

…上面に適切な径のプレホールを作り、次にプレホール中央に挿入されるよう、ロボットをプログラミングする(M5ファスナーの場合、プレホール径は通常7 mm)。

ステップ4:板組の隙間

完璧なジョイントは、ファスナーのヘッドが水平に入っていることやプレホールをカバーしているだけではありません。接合の品質は、材料板組がお互いにきちんと合わさっているかが重要になります。このような板隙は錆や板間の気泡の原因となり、そのことが接着界面の破壊を生じさせ、強度特性への悪影響などを及ぼすおそれがあります。

K-Flow joint with gap between layers

板間の隙間

アトラスコプコは、以下の点を確認することを推奨します…

…材料の厚さ
材料の厚さがある一定以上になると、摩擦が大きくなり、材料が加熱して、材料にファスナーを取り付けにくくなるため、ジョイントの強度や靭性に影響します。

…最終締付ステップのトルク
わずかな調整だけで、接合品質を向上できることもあります。特に異材接合においては、初期接合条件検討の際に行われるパラメータのプログラミング時に、それぞれの層の材料別に要件を考慮する必要があります。

…材料せん孔時の回転速度
最初のプロセスで回転速度が高すぎると、材料が過熱します。これは、材料を裏面まで貫通してその後のステップでボス(突出部)を形成する問題の原因になります。同様に、回転速度(RPM)が低すぎるとサイクルタイムが長くかかり、材料を流動十分な熱が生じません。

ステップ5:ファスナーのずれ

自動で行うプロセスのステップを全てクリアすると、不良の接合になる確率は非常に低くなります。しかし、接合条件を承認する前に、調べるべき最後のステップがもう1つあります。このステップでは、ファスナーの締付状態を手作業で測定します。つまり、少なくとも破断トルクの検査テストを手作業で行います。ファスナーを反時計回りに回転できる場合、接合工程で何かがうまくいっていない状態で、ジョイントは検証されていない欠陥の接合とみなされるべきです。

K-Flow movement fastener

接着剤を使用しない場合、ファスナーの緩みにより、シート間や部品間に緩みが生じる可能性があります

アトラスコプコは、以下の点を確認することを推奨します…

…最終締付ステップのトルク
考えられる事象としては、最終締付ステップにおいてトルク設定が高すぎることが挙げられます。トルク設定が高すぎる状態では、スレッドが壊れ、ボスが損傷します。また、接着剤が偶然にジョイントに入り込んだ場合にも、締付ステップにおいてトルクのオーバショットにつながるおそれがあります。

…ファスナーヘッド下の接着剤
接着剤がファスナーと上板の間に入ってしまった場合、回転の摩擦が小さくなってファスナーを締め付けすぎてしまい、結果的にファスナーが緩んでしまいます。上板にプレホールのある場合に、このような問題が発生する場合があります。

…材料厚さや熱処理状態の変化
生産で使用される部品が組立てられる際に、材料厚さと硬度(引張強度)にばらつきが生じることがあり、設定したトルクが正しくかからないおそれがあります。

まとめ

以上の5つのヒントは、信頼性の高いジョイントを実現する改善策として役に立つでしょう。しかしこれらの検査はプロセスの一部分であり、接合の計画は全ての構造上のジョイントに対して行う必要があります。アトラスコプコは、エンジニアリングベースのプロセス開発を、設計段階と生産開始前の両方で行うことを推奨しています。世界16か所にある弊社イノベーションセンターでは、お客様の接合プロセスが正しく成立し確実に行われるようにし、お客様の製造をサポートするデータを提供しています。詳細情報については、弊社イノベーションセンターのページをご覧になるか、弊社までお問い合わせください。

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