アトラスコプコツールズの最新型絶縁機器により、妥協のない生産性と安全性を実現
アトラスコプコは、自動車業界でも使われている締付と組立ツールの大手メーカーとして、eモビリティ分野の将来的な生産プロセスについて詳細に調査しました。その結果、包括的な現場試験により、電気自動車バッテリーの組立に関連する3つの潜在的なリスク領域と事故シナリオが明らかになりました。
シナリオ1:通電部品への直接接触
作業者は通電部品に直接接触することがあります。適切に絶縁されていないツールや機器を使用した場合、直流120 Vを超える電圧により、重傷や死亡事故につながるおそれがあります。
シナリオ2:絶縁されていないツールや機器による通電部品の短絡
2つめのリスクは、電池の直接短絡により発生します。つまり、絶縁されていないツールにより通電部品間で接触が発生します。このような短絡は、アーク放電、ガス発生、火災、爆発につながるおそれがあり、作業者だけではなく使用する材料や機器にも重大なリスクを及ぼします。
シナリオ3:接地ツールによるバッテリーモジュールの短絡
3つめのリスクは、接地ツールによる通電部品の短絡です。2つ以上の接地ツールを同時に使用する場合、バッテリーの2極に接触すると、短絡が発生するおそれがあります。これに伴うリスクは、上記2つのシナリオで説明したリスクと同様です。
アトラスコプコツールズの新型絶縁ソケットにより、組立の新たな境地を開拓
絶縁カバーの考え抜かれた設計には、非導電性複合材と二層シェル構造が採用されており、電動ツールに簡単にクリップ留めできます。ゴムリングとフロントキャップを追加で装着することで、組立工程で使用するツールを効果的に絶縁、保護できます。これにより、金属製アングルヘッドと通電部品の偶発的接触による短絡を防ぐことができます。
絶縁ツールカバーの開発過程で、包括的ソリューションを実現するにはソケットにも特殊な絶縁が必要なことが明らかになりました。通電部品との直接接触や、接地ツールとバッテリーによる短絡を防止するために(シナリオ1および3を参照)、アトラスコプコツールズは絶縁ソケットとクイックチェンジアダプタという2つの革新的な製品を開発しました。どちらのソリューションも軸方向と径方向の両方を絶縁し、工程と作業者の安全性を最大限に高めます。
テストと認定
絶縁ソケットに適用できる規格はまだありませんが、DIN EN IEC 60900:2018 およびASTM F1505の該当セクションを調べた結果、ソケットの機械的強度と電気絶縁特性の確認に適用できる複数のテストが特定されました。たとえば絶縁耐力試験は、VDE(Verband der Elektrotechnik Elektronik Informationstechnik e.V.)およびインターテック認証機関の両方で実施、確認されています。
VDEテストに合格すると、絶縁ソケットとクイックチェンジアダプタに、DIN EN IEC 60900:2018適合を示す二重三角記号を表示できます。
社内でも集中的なテストを実施しました。耐久性テスト、圧痕テスト、燃焼性テスト、さらに衝撃テストも実施され、いずれも優れた結果を示しています。
通電システムを二重に保護
絶縁ソケットとクイックチェンジアダプタに採用された複合コアが軸方向を絶縁し、締付時にボルトとツール間の電気伝導性を完全に遮断します。また、絶縁ソケットとクイックチェンジアダプタに装備された自由に回転するスリーブが、径方向を絶縁します。ROTACTION安全ソケットにも同じ回転スリーブが装備されており、絶縁クイックチェンジアダプタと組み合わせることができます。これにより完全な一体型システムが実現し、電気ショックと手袋の巻込みを防ぐことができます。
絶縁クイックチェンジアダプタは、ROTACTIONシリーズのソケットやビットの主要部品と組み合わせて使用するモジュール式システムとして開発されました。絶縁クイックチェンジアダプタを装備したROTACTIONソケットの使用時は、径方向を完全に絶縁するため、簡単に装着できる絶縁ソケットカバーを必ず使用してください。
電気絶縁に使われる非導電性複合材の絶縁耐力試験は、軸方向と径方向に直流10,000 Vを加えて実施されています。
可能な組み合わせ
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