閉じる

産業用途 セメント

適切な技術を使用していますか?

スクリュブロワとルーツブロワ

スクリュブロワとルーツブロワは、中圧コンプレッサシステムほど広く認識されていませんが、低圧装置として、水産養殖、セメント工場、排煙脱硫、食品飲料、不織布、 そして空気搬送といった様々な産業で不可欠な存在です。 

 

低圧用途で2バールまでしか必要としないさまざまな施設で、7から8バールを発生させる典型的な中圧空気圧縮機システムが使用されています。これは結果的に、過剰なエネルギー消費とコストを発生させています。 

 

このことを念頭に置けば、低圧スクリュブロワまたはローブ(ルーツ)ブロワは、一般に0.3から1 barの圧力を発生するため、低圧用途に最適です。ローブ技術は、1854年にフランシス・ルーツとフィランダー・ルーツが初めて開発して以来使用されており、それ以来大きくは進化しいません。 

 

この記事では、低圧ブロワのローブ(ルーツ)とスクリュ技術について説明し、スクリュブロワが低圧用途に適したソリューションである理由を明確にします。詳細については、下記をお読みください。 

ローブブロワすなわちルーツブロワの機能の仕組み

ローブブロワすなわちルーツブロワは、等積圧縮、すなわち圧縮チャンバ内の一定量の空気を利用する低圧ブロワです。チャンバ内のローブロータが回転し、チャンバの体積が縮小して圧縮を引き起こします。

 

接続された管路から入る空気のため、この圧縮は、全逆圧に対抗して外部から発生します。外部圧縮は、効率が低く、騒音レベルが大きくなります。

 その結果、ローブ技術の使用は、1段圧縮の低圧用途に限定されます。2段圧縮と3段圧縮のバージョンも入手可能ですが、効率が低く騒音レベルが大きいため、それほど一般的ではありません。

 

ローブブロワすなわちルーツブロワは、低圧用途向けに製造されていますが、上記のような理由から最良の選択とは言えません。今日の産業分野では、効率的でコストをできるだけ低く抑える設備が求められるためです。

ローブブロワの圧力/体積図

4-1:吸気量 – 体積をVsに増加

1-2:レシーバからブロワへの逆流による圧縮

2-3:ブロワからレシーバへの送風

矩形領域1-2-3-4は、圧縮仕事量Wtを表します。

電力消費量は、青の領域1-2-3-4に比例します

スクリュブロワの圧力/体積図

4-1:吸入 - 空気が圧縮チャンバに入ります

1-2:内部圧縮 - ロータが対抗方向に回転し、空気の体積が小さくなります。

2-3:吐出 - 空気が管路に押し出され、レシーバに供給されます。

ルーツブロワの機能の仕組み

ZS VSDブロワ
ローブブロワやルートブロワとは異なり、スクリュブロワは、等エントロピー圧縮の原理で機能します。これは、ロータリスクリュコンプレッサと同様のメカニズムで、スクリュブロワにはオスとメスのロータが付いており、回転方向は互いに反対向きです。これにより、ロータ間の体積が小さくなり、圧縮空気が生成されます。

スクリュブロワがルーツブロワよりも優れた選択肢である理由

エアコンプレッサの運転の最大80%はエネルギーコストになります。

とはいえ、スクリュブロワの内部圧縮機構は、本質的に効率的であることは指摘しておく価値があります。これは、スクリュブロワが設計上、消費エネルギーが少なく、発熱が小さいためです。

 

を示して説明します:

周囲温度35℃、定格流量2000 m3/時、圧力0.7 bar(g)
 

上記の値を考慮して求めた場合、ルーツブロワの消費エネルギー量は空気吐出温度125℃で61 kWですが、スクリュブロワでは、空気吐出温度94℃で43 kWです。

 

スクリュブロワは、平均して年間35~40%のエネルギー消費量節減に貢献しています。

このことから、スクリュブロワは、低圧の産業用途に適しています。その総所有コストは、通常のルーツタイプブロワよりも低くなります。 

 

さらに、ロータリスクリュエアブロワは、可変速駆動(VSD)技術の恩恵を受けることができます。

これは、VSD装置が常に最高回転速度で動作するのではなく、モータ回転速度を空気需要に一致させるためでです。結果的に、エネルギー消費量とコストが削減されます。

 

 

一言で言えば、スクリュブロワは、素晴らしいエネルギー節約機材です。熱生成量が小さく、コスト効率とエネルギー効率の両方を向上させます。つまり、低圧の産業用途に最適な選択肢なのです。