可変速駆動と固定速度駆動の比較

エネルギー効率の点でどちらが最適なコンプレッサか

資源の保全とエネルギー効率の高い機器の必要性はこれまでにないほど高まっています。かつて無限に供給されると信じていた燃料は、枯渇しかけているか、経済と環境の両面の理由から妥当なエネルギーではなくなっています。

このため、エネルギーに対する見方が根本的に変わりました。かつては人類が思いどおりに利用できるものだと考えられていましたが、今では貴重な資源として保全すべきものであると考えられています。

一部の分野では人間の創意工夫が大きな進歩をもたらしています。例えば、現在使用されている小型蛍光灯は、数年前まですべての家庭で使用されていた従来の電球に比べて耐用年数が長くなり、消費電力も25～80％低下しています。しかしこのケースも、より持続可能な技術を推進するために政府が介入し、時代遅れの製品を徐々に廃止するよう求めた一例でもあります。

可変速駆動（VSD）コンプレッサ – 独創的な環境技術

その他の分野では、同様の成果をあげるには一筋縄ではいかないことが実証されています。圧縮空気の分野は長年そのうちの1つでした。しかし今では革新的な可変速駆動（VSD）コンプレッサにより、企業は同様の省エネを実現できます。これは企業の収益だけでなく、地球にとっても良いことです。

従来のエアコンプレッサは、固定速度モータで速度を制御しますが、VSDコンプレッサはモータ速度を調整します。つまり、いつでも必要な量だけの圧縮空気を供給します。これは常に同じ量の圧縮空気が必要な場合はあまり意味がありませんが、圧縮空気の需要が変動する場合は、調整可能な速度駆動というこの環境技術を使用して大幅な省エネを達成できます。

可変速駆動（VSD）でさらに省エネ

コンプレッサの総ライフサイクルコスト

圧縮空気について言えば、省エネが大幅な節約に直結します。その理由は単純です。コンプレッサへの初期投資は総所有コストの比較的わずかな部分にすぎない一方で、エネルギーコストはコンプレッサの耐用年数全体で最大の割合（70％）を占めているためです。したがって、この分野ではエネルギー効率の高い機器に大いに価値があります。

例えば、可変速駆動コンプレッサはこれらのエネルギーコストを3分の1に削減できます。アトラスコプコのGA VSD+はさらに大幅な省エネを実現し、コストを半分に削減することができます。この違いは何かというと、VSD+コンプレッサには効率性に非常に優れたiPM（永久磁石）モータと特許取得済みの圧縮エレメント、および安全弁も搭載されている点です。

さらに、VSDコンプレッサは非常にエネルギー効率が高いため、一部の国では環境技術として税制優遇措置を受けることができます。

可変速駆動コンプレッサと固定速度コンプレッサ、どちらが最適か

では、自社の生産活動に適した最もエネルギー効率の高いソリューションを選択するにはどうすればよいでしょうか。まず、圧縮空気の需要を把握する必要があります。対象用途が常に一定の速度を必要とする場合は、固定速度のコンプレッサのほうが適しているでしょう。電源をオンにすると、フルパワーで稼働します。しかし、ほとんどの産業用途では空気需要が変動します。この場合、VSDコンプレッサを選んだ方が長期的に大幅な省エネを実現できます。メリットはエネルギー効率だけではありません。可変周波数駆動コンプレッサは、最大のシステム圧下でも始動/停止できます。負荷を軽減する必要はないため、時間だけでなくエネルギーも節約できます。アイドリング時間のロスがないため、通常の運転時にもブローオフロスがありません。最後に、システム圧の低減により、システムのリークを最低限に抑えます。こうしたすべての特長により、VSDコンプレッサはどの業種にも付加価値をもたらす環境技術となっています。あとはお客様ご自身でお確かめください。

実例

英国の製造工場でVSDコンプレッサ技術に切り替えることで、消費者向け製品のフレーバーや香料を製造するInternational Flavors &Fragrances社は年間1万ユーロ以上のコスト削減を達成しました。

また、自動車部品メーカーのMatrival社はこの切り替えによってエネルギーコストを最大50％削減しました。

VSDの次の成功事例になる準備ができている、あるいは当社の革新的なVSD技術の利点に関してご質問があるという方は、当社にお問い合わせください。