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エアレシーバとは

空気処理 エアコンプレッサ 補助装置 圧縮空気Wiki エアレシーバ

エアレシーバは空気タンクとも呼ばれ、圧縮空気システムに不可欠な部分です。エアレシーバの主な目的は、システムのピーク需要に対応するための一時的な貯蔵場所となることと、設備の運転効率を最適化することです。 

エアレシーバが必要な理由

エアコンプレッサ設備は理論上、エアレシーバがなくても稼働します。ただし、空気システムにエアレーバが装備されていないと、コンプレッサの負荷と無負荷のサイクルが増加し、コンプレッサを酷使することになります。負荷/無負荷サイクルは、施設内の需要変動に左右されることを念頭に置いておくことが重要です。

エアレシーバは、ベッセルやタンクとも呼ばれ、圧縮空気が配管システムや装置に入る前の貯蔵庫として使用されます。端的に言うと、エアレシーバは、需要変動に伴う圧力変動とコンプレッサとのバッファとして機能します。

コンプレッサによっては、「タンク搭載」が可能です。つまり、パッケージ化されたコンプレッサを、エアレシーバの上に取り付けることができます。このタイプのセットアップは、省スペースが重視される施設に最適です。タンク搭載型コンプレッサにより、スペースと、独立型ドライヤの試運転に関連する初期設置費用の両方を削減できます。これは一般的に小型のコンプレッサ(最大26 kW/35 HP)が対象となります。大型のエアコンプレッサは上部が重くなり、安全面でのリスクが生じるため、タンク搭載オプションに適していません。

ウェットエアレシーバとドライエアレシーバ

エアレシーバのサイズを適切に決定する方法

前の記事で解説した「エアコンプレッサのサイズ決定方法」の最適事例で明らかなように、お客様の施設で求められる需要を満たすことのできる、適切なサイズの選択が重要です。エアレシーバの適切なサイズは、使用するエアコンプレッサのタイプと用途により異なりますが、圧縮空気1 CFM当たり3~4ガロン、または1リットル/秒当たり10~15リットルの処理が可能なものということを経験則として覚えておくとよいでしょう。 サイズ選択と同様に、設備に最適なエアコンプレッサを決定する際に検討すべき要素は多数あります。必ず以下の要素を検討するよう、お勧めします。 1. 圧力変動/圧損の最小化:エアレシーバを使用すると、生産工程と最終製品の品質に影響する圧力変動を最小限に抑えられます。お使いのコンプレッサに最適な空気タンクを選択するには、コンプレッサの出力圧と、用途に必要な使用時の値という2つを考慮する必要があります。エアレシーバに貯蔵された圧縮空気は、その空気を使用する工程に対して十分な圧力を有している場合にのみ使用できることに注意してください。そのため、エアレシーバが圧縮空気を利用するエンドユーザー(装置)に必要な圧力を供給できる持続時間(分単位)を検討することが重要です。 2. 短時間の空気需要ピークに対応:1日を通して圧縮空気の需要が大きく変化する場合、需要の急増を把握して、システムの圧力が許容レベルを下回らないようにすることが重要です。エアレシーバは貯蔵庫の役割を果たし、コンプレッサが対応できない短時間の空気需要ピークに対応します。時間帯、シフトパターン、通常とは異なる需要(サンドブラスタや研磨媒体ブラスタの一時的な使用など)により、空気要件が変化することがあります。用途や必要な空気量(CFMまたはリットル/秒)に加えて、お使いのシステムで想定されるピークを完全に把握しておくことで、すべてのプロセスにおいて圧縮空気が不足しないために必要なフローを決定することができます。 3. エネルギーに関する考慮事項:エアレシーバを使用すると、より長いサイクルと狭い圧力幅でコンプレッサを負荷/無負荷(定速)運転できるため、圧縮空気システムのエネルギー消費量削減を実現できます。適切なサイズのタンクに需要量よりも多い空気を貯蔵しておけば、フローの需要増に対応するためにコンプレッサを始動する回数が減少し、エネルギー消費量を大幅に削減できます。圧力変動と頻繁なモータ始動も回避できると同時に、安定した圧力を供給し、コンプレッサの寿命を延長できます。 4. 安全に関する考慮事項:必要に応じてエアレシーバから空気を供給することで、緊急時に生産プロセスとシステムを安全にシャットダウンすることができます。

空気タンクを排出する頻度

空気タンクの最小限の能力
ドライヤが内蔵されていないコンプレッサや、システム内にドライヤの無いコンプレッサでは、最終的に空気タンク内に水分が混入します。圧縮空気が未処理で湿っていると、装置の損傷や製品品質の低下につながるおそれがあり、同様にエアレシーバも影響を受ける可能性があります。凝縮や水はエアレシーバ内に回収され、排出されない場合は、腐食を発生させ、エアレシーバの完全な状態を脅かし、容器の早期劣化を引き起こします。コンプレッサを1日中全負荷で運転した場合、エアレシーバを1日に1回以上排出することをお勧めします。忘れないためには、フロート式ドレン、タイマ式ドレン、電子式ドレンバルブのいずれかを購入するのが簡単です。最高の結果を達成し、圧縮空気システムを用途に合わせるには、当社の圧縮空気のエキスパートにお問い合わせください。

エアレシーバの最適な圧力とその重要性

「エアレシーバ内の圧力が高いほど、プロセスとツールに利用できる空気が増えるため、長年の間に需要が増加したとしても、大型のコンプレッサを購入する必要がない。」ということを耳にしたことがあるかもしれません。これは正しくありません。タンクの圧力はコンプレッサの出力圧と関係があります。標準的な定速コンプレッサとインバータ駆動コンプレッサのほとんどは、最大175 psig(12 bar)で圧縮空気を供給できます。ただし、産業設備の大半は100~125 psig(7~8 bar)で稼働します。このためエアレシーバの最大圧は、設備の需要量を基に決定する必要があります。たとえば、お使いの定速コンプレッサの定格が最大125 psig(8 bar)の場合、エアレシーバの定格は最低150 psig(10 bar)でなければなりません。ほとんどのインバータ駆動(VSD)エアコンプレッサの定格は最大175 psig(12 bar)のため、このタイプの圧縮空気システムには200 psig(14 bar)のエアレシーバが適しています。各エアレシーバはプレッシャーリリーフバルブを備えている必要があります。プレッシャーリリーフバルブは、ベッセル内が許容最大圧力に達したときに、タンクから圧力を解放するように設計されています。重要なのは、圧力が上昇すると流量(CFMまたはリットル/秒)も増加するわけではなく、圧力が上昇すると流量は減少するということです。圧縮空気を利用する機械に設定されている最小圧力と最大圧力を理解して、可能な場合は、エアレシーバ出口または圧縮空気使用ポイントで、圧力レギュレータを使用することが重要です。経験則として、2 psigごとにエネルギー1%が使用されることを念頭に置いてください(1 barはエネルギー7%に相当)。つまり、設備の需要量に基づいてシステムの圧力を維持するべきであり、それがエネルギーのさらなる削減につながるということです。

エアレシーバの自作

独自のエアレシーバをDIYで作りたいという誘惑に駆られたとしても、エアレシーバは自作すべきものではありません。安全性のリスクが高く、厳格な法規制があります。エアレシーバは、高く評価されているエアコンプレッサのメーカーやベッセル容器の専門メーカーから必ず購入してください。地元の圧縮空気装置の専門家に問い合わせて、圧縮空気のニーズに最適なソリューションを探すのが最良の方法です。

必要な空気タンクのサイズ計算

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