必要なコンプレッサのサイズ
最大の問題は、新しく購入するエアコンプレッサの正しいサイズを決定することです。市販されている新型のコンプレッサは技術と効率が向上しているため、用途と使用方法を理解して正しいサイズを決定する必要があります。お客様の設備に合わないコンプレッサを選択してしまうと、生産において問題が発生し、無駄なエネルギーが原因となってコストが増加することがあります。
必要な圧力
お客様の製造設備で使用されている空気量と圧力を正確に把握することが、エアコンプレッサを選定するうえで最も重要となります。圧力と空気量は、圧縮空気システムについて議論するうえで非常に一般的な用語となります。
圧力の測定単位は、ポンド/平方インチ(psi)またはbar(メートル法の圧力単位)です。これを単純に言えば、ある時点で特定の仕事量を実行するために必要な力の量ということです。圧力とその働きを分かりやすくするために、木製ブロックをテーブル上で動かすことを考えてみましょう。以下の図から分かるように、75 psiの圧縮空気を使用してもブロックを動かすために十分な力は得られませんが、100 psiの圧力であればこの木製ブロックを意図する距離だけ動かせます。
エアコンプレッサには、与えられた作業(この場合は木製のブロックを動かすこと)の実行に十分な圧力を発生することが求められます。以下の図に示すように、ブロックを動かすには100 psiが必要で、それを下回る圧力ではこのタスクを完了できません。コンプレッサのサイズを適切に設定するには、必要な圧力を把握することが重要です。そうしないと、以下の図のように100 psiより低い圧力では木製のブロックを動かすことも、このタスクを実行することもできず、問題が生じます。
使用しているコンプレッサの適切なエアフロー
自由空気吐出量(FAD)とも呼ばれる空気量は、お客様の地域により立法フィート/分(cfm)、リットル/秒(l/s)、または立法メートル/時(m3/h)単位で測定します。端的に言えば、空気量とは、許容される時間枠内で継続してタスクを実行するコンプレッサの能力です。必要な空気量の量は、与えられた作業の完了に必要な時間長によって決まります。これを説明するために、先の木製ブロックの例を考えてみましょう。木製ブロックを1時間あたり一定の距離を動かすために必要な空気量は、先の例よりも低く、より小型のコンプレッサと貯蔵タンクを使用して達成できます。
コンプレッサは循環を繰り返し、次の木製ブロックを動かす必要が出てくるときに備えて、貯蔵タンクを再充填します。ただし、木製ブロックを与えられた時間内で継続して動かす必要がある場合には、より大きな空気量(またはcfm)で連続させることが必要となり、より大型のコンプレッサが必要です。
空気量が不十分な場合、このプロセスでは、コンプレッサ貯蔵タンクの圧力が上昇する間、頻繁に休止させることが必要になり、これはコンプレッサのサイズが小さすぎるということを意味します。
最終的に、与えられた用途に対して十分な圧縮空気を供給するには、プロセスが適切に働くために必要な圧力で必要な圧縮空気量(cfm)を考慮することが重要です。
必要な総空気量を確認する方法の1つは、圧縮空気を使用する機器のメーカーに連絡して、必要な情報が記載されているデータシートを要求することです。ただし、空気量を正確に測定するには「エア診断」を実行するのが最善であり、これは圧縮空気の営業担当者が行うことができます。ロータリスクリュエアコンプレッサは、kWまたはhpあたりの吐出フローがピストンコンプレッサより大きくなる傾向があることに留意することが重要です。
まとめると、圧力(psi)は実行する仕事により決まるのに対して、空気量(cfm)では、仕事をどの程度頻繁に実行するのか、またはいくつの作業を同時に実行する必要があるのかを把握する必要があります。サイズが小さすぎるコンプレッサを選択すると、圧損が生じて作業を完了できず、コンプレッサのサイズが大きすぎると、将来に機械的な問題が発生し、コンプレッサが故障する可能性があります。既存の用途や新規用途に必要な新しいコンプレッサのサイズをどのように設定すればよいか分からない場合は、圧縮空気の営業担当者に連絡してエネルギー診断を依頼してください。
コンプレッサには、あらゆるタイプとサイズがあります。大型の生産設備で稼働を続ける大型コンプレッサから、DIY 好きが使用する小型のコンプレッサまで、さまざまな種類のコンプレッサがあります。たくさんのモデルから最適なコンプレッサを選択することができますが、お客様に最適なコンプレッサはどれでしょうか?
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お客様に最適なコンプレッサを見つけるお手伝いをいたします。