2026年6月12日
おおよその読み取り時間 :5 分
圧縮空気システムのエネルギー診断の効果を高める
包括的なエネルギー監査を実施する場合でも、簡易的な評価を行う場合でも、以下の対策はあらゆる圧縮空気システムに共通して有効です。まずは供給能力の増強を検討する前に、 空気需要の削減に取り組みましょう。漏れの修理や圧力設定の適正化は、新たな設備投資をほとんど必要とせず、あらゆる運転条件下でエネルギー効率の向上につながります。 また、最適化だけでは十分な改善効果が得られない場合、エネルギー監査の結果から、コンプレッサーの更新が最も費用対効果の高い次のステップであることが明らかになる場合もあります。
エネルギー診断チェックリスト
以下のチェックリストに沿って確認を進めることで、省エネにつながる改善ポイントを把握し、圧縮空気システムの最適化と運用効率の向上を実現できます。
エネルギー診断の重要性
7つのステップをすべて実践した後でも、専門的なエネルギー診断を実施する価値は十分にあります。 専門家は、専用の測定機器がなければ発見が難しい非効率な箇所を特定できるためです。特に、複雑な圧縮空気ネットワークを運用している企業では、エネルギー診断の実施を検討することをお勧めします。アトラスコプコの AIRScan サービスでは、校正済みの測定機器を用いてシステム全体を詳細に分析します。比エネルギー消費量(kWh/m³)、需要曲線、漏れ量の推定値などを可視化し、各改善項目で期待できる削減効果とともに、優先順位を付けた改善提案をご提供します。
複数のコンプレッサーをネットワーク化して運用している場合や、原因が明確でないまま圧力低下に関する問題が増えている場合、あるいは設備能力の変更を計画している場合は、専門家によるエネルギー診断の実施を検討することをお勧めします。また、ISO 50001への対応やサステナビリティレポート作成のために、信頼性の高いエネルギーデータが必要な場合にも、専門的なエネルギー診断は有効です。
コンプレッサーの更新を検討する時期ではありませんか?
エネルギー診断の結果、最適化を実施した後も現在のコンプレッサーの効率が改善しない場合は、更新を検討する時期かもしれません。アトラスコプコの圧縮空気の専門家が診断結果をもとに、お客様の設備構成や予算に応じて、修理・アップグレード・更新のどれが最適な選択肢かをご提案します。
よくあるご質問
簡易的なエネルギー診断は比較的短時間で実施できる評価であり、通常は専門家が現場を巡回し、目視によって明らかな非効率要因を特定します。一方、 圧縮空気システムの包括的なエネルギー診断は、より詳細な分析を行うため、実施期間やコストも大きくなります。診断には数日から数週間を要する場合があり、流量、圧力、消費電力などを測定する専用機器を用いて、運転データを収集・分析します。比較的シンプルなシステムであれば簡易的なエネルギー診断だけで十分な場合もありますが、複雑なシステムや複数のコンプレッサーで構成されたネットワークでは、包括的なエネルギー診断によってより大きな改善効果が期待できます。
調査によると、一般的な圧縮空気システムでは、生成された圧縮空気の最大3分の1が漏れによって失われている可能性があります。小さな漏れであっても、その空気を圧縮するために必要なエネルギーコストまで考慮すると、年間で大きな損失につながります。漏れ箇所の特定には超音波検査器を活用し、修理の優先順位を決める前に、無負荷時の流量試験によってシステム全体の漏れ量を把握することが重要です。
能力不足への対策としてヘッダー圧力を上げることは、コスト増につながるだけでなく、かえって非効率を招く可能性があります。圧力を高くすると、既存のエア漏れによる損失量も増加し、既存のエア漏れによる損失量も増加し、本来の問題をさらに悪化させてしまいます。重要なのは、能力不足の根本原因を特定し、その原因に対処することです。例えば、実際の供給能力不足、配管系統における圧力損失や流量制限、あるいはシステム設計時の想定を超えるエア需要の増加などが原因として考えられます。
専門家によるエネルギー診断は、複数のコンプレッサーをネットワーク化してを運用している場合に特に大きな効果を発揮します。また、原因不明の圧力低下に関する問題やエネルギーコストの増加が発生している場合、設備能力の変更やコンプレッサーの更新を計画している場合にも有効です。さらに、ISO 50001への対応やサステナビリティレポートの作成に向けて、エネルギー使用状況を裏付ける客観的なデータが必要な場合にも、専門的なエネルギー診断が役立ちます。一方、単体のコンプレッサーで構成された比較的シンプルなシステムであれば、社内でのチェックリストによる確認と定期的な簡易的なエネルギー診断の組み合わせで十分な場合もあります。
体系的なメンテナンスプログラムがなければ、エネルギー診断によって得られた改善効果は、フィルターの目詰まりやドレン排出装置の不具合、小規模な漏れの再発などにより、通常12〜18か月で徐々に失われていきます。効率を維持するためには、フィルター、セパレーター、ドライヤーの定期的な清掃とメンテナンスが不可欠です。また、主要なフィルターの圧力損失を毎月確認するとともに、比エネルギー消費量(kWh/m³)、漏れ率、圧力帯(圧力変動範囲)といった主要KPIを年次でレビューすることで、単なる時間基準の保守ではなく、具体的な成果に基づく継続的な改善を実現できます。