グリーンでより効率的な生産への10ステップ

グリーンプロダクトのための二酸化炭素排出量削減に関して知っておくべきこと
圧縮空気のグリーンプロダクト化への10ステップ

空圧式輸送プロセスについて知っておくべきこと

より効率的な空圧式輸送プロセスを作成する方法をご確認ください。
3D images of blowers in cement plant
閉じる

圧縮空気システムのエネルギー診断チェックリスト: 省エネ成果を高める7つのステップ

コンプレッサー室のエネルギー診断を実施することで、圧縮空気システムが可能な限り効率的に運用されているかを把握できます。圧縮空気システムのライフサイクルコストの大部分をエネルギーコストが占めるため、わずかな改善でも大きなコスト削減につながる可能性があります。本記事では、エネルギー診断の実施前・実施中・実施後に取り組むべき7つのステップをご紹介します。

2026年6月12日

おおよその読み取り時間 :5 分

圧縮空気システムのエネルギー診断の効果を高める

包括的なエネルギー監査を実施する場合でも、簡易的な評価を行う場合でも、以下の対策はあらゆる圧縮空気システムに共通して有効です。まずは供給能力の増強を検討する前に、 空気需要の削減に取り組みましょう。漏れの修理や圧力設定の適正化は、新たな設備投資をほとんど必要とせず、あらゆる運転条件下でエネルギー効率の向上につながります。 また、最適化だけでは十分な改善効果が得られない場合、エネルギー監査の結果から、コンプレッサーの更新が最も費用対効果の高い次のステップであることが明らかになる場合もあります。

エネルギー診断チェックリスト

以下のチェックリストに沿って確認を進めることで、省エネにつながる改善ポイントを把握し、圧縮空気システムの最適化と運用効率の向上を実現できます。

圧縮空気システムのエネルギー診断チェックリスト: 省エネ成果を高める7つのステップ

エア漏れは、圧縮空気システムにおける最大のムダの一つです。調査によると、生成された圧縮空気の最大 3 分の 1 がエア漏れによって失われている可能性があります。わずかな漏れであっても、年間で大きなコスト増につながりかねません。まずは超音波検知器を使用して漏れ箇所を特定し、生産停止時の残留流量(m³/h)を測定して漏れ量を定量的に把握しましょう。その後、投資対効果の高い箇所から優先的に修理を進めます。

圧縮空気システムのエネルギー診断チェックリスト: 省エネ成果を高める7つのステップ

適切に設計された配管システムは、圧力損失を抑え、エネルギーコストの削減につながります。一方で、老朽化した配管や、過大・過小なサイズの配管、複雑な配管レイアウトは効率低下の原因となります。特に、増設を重ねてきた圧縮空気ネットワークでは、その傾向が顕著です。また、鋳鉄製の配管は腐食によって錆が発生し、圧縮空気の品質を低下させる可能性があります。コンプレッサーの吐出口から最も条件の厳しい使用箇所までの圧力(bar)を測定し、分岐部や行き止まり配管、口径が不適切な配管区間で発生している圧力差(Δbar)がないか確認しましょう。

圧縮空気システムのエネルギー診断チェックリスト: 省エネ成果を高める7つのステップ

能力不足を補うためにコンプレッサーの吐出圧力を上げることは、コスト増につながるだけでなく、根本的な解決策にもなりません。圧力を高くするとエア漏れ量が増加し、既存の非効率性をさらに悪化させる可能性があります。ヘッダー圧力の設定値は、使用箇所で必要な最低圧力に配管系統で生じる圧力損失を加えた値に設定しましょう。その後は、比エネルギー消費量(kWh/m³)を確認しながら段階的に圧力を下げ、最適な運転条件を見極めることが重要です。

圧縮空気システムのエネルギー診断チェックリスト: 省エネ成果を高める7つのステップ

 

多くの場合、実際に必要な圧力や空気量は想定よりも少ないことがあります。まずは生産サイクル全体を通じて、流量(m³/h)、圧力(bar)、消費電力(kW)を測定・記録しましょう。コンプレッサーの容量選定は、一時的な最大需要ではなく、 95 パーセンタイル値を基準に行うことが重要です。また、下流側の設備がメーカー推奨値より低い圧力でも問題なく運転できるか確認してみましょう。圧力設定を見直すだけでも、大幅な省エネにつながる可能性があります。

 

 

圧縮空気システムのエネルギー診断チェックリスト: 省エネ成果を高める7つのステップ

大規模な圧縮空気ネットワークには、すでに使用されていない古いフィルターやセパレーター、レギュレーターが残っていることがあります。こうした機器は運用されていなくても圧力損失の原因となる可能性があります。各機器の上流側と下流側の圧力を測定し、圧力差(Δbar)への影響度を評価しましょう。そのうえで、圧力損失の大きい機器から優先的に撤去または交換することをお勧めします。コンプレッサーの圧力設定を見直す前に、まずはこうした流れの制限要因を解消することが重要です。

 

圧縮空気システムのエネルギー診断チェックリスト: 省エネ成果を高める7つのステップ

圧縮空気は電力と比べて非常にコストの高いユーティリティであり、多くの工場において最も高額なエネルギー源の一つです。そのため、代替手段がある用途には圧縮空気を使用しないことが重要です。例えば、部品や設備の清掃、作業者の冷却といった用途では、より効率的な方法を検討できます。また、エアブローには専用ノズルを使用し、間欠的に使用する設備にはタイマーや電磁弁を導入することで、不要な空気消費を抑制できます。さらに、生産を行っていない時間帯には未使用エリアへの空気供給を遮断することで、さらなる省エネ効果が期待できます。

 

圧縮空気システムのエネルギー診断チェックリスト: 省エネ成果を高める7つのステップ

 

エネルギー診断で得られた改善効果も、体系的なメンテナンス計画がなければ維持することはできません。 フィルター、セパレーター、ドライヤーの定期的な点検・メンテナンスを実施するとともに、前述の項目をあらかじめ定めた周期で継続的に見直すことが重要です。また、重要なフィルターの差圧(Δbar)を毎月監視することで、目詰まりの兆候を早期に把握できます。さらに、比エネルギー消費量(kWh/m³)、エア漏れ率、圧力変動幅といった主要KPIを年1回レビューし、その結果を次回のエネルギー診断の基準値として活用することで、継続的な改善につなげることができます。

 

 

エネルギー診断の重要性

7つのステップをすべて実践した後でも、専門的なエネルギー診断を実施する価値は十分にあります。 専門家は、専用の測定機器がなければ発見が難しい非効率な箇所を特定できるためです。特に、複雑な圧縮空気ネットワークを運用している企業では、エネルギー診断の実施を検討することをお勧めします。アトラスコプコの AIRScan サービスでは、校正済みの測定機器を用いてシステム全体を詳細に分析します。比エネルギー消費量(kWh/m³)、需要曲線、漏れ量の推定値などを可視化し、各改善項目で期待できる削減効果とともに、優先順位を付けた改善提案をご提供します。

 

複数のコンプレッサーをネットワーク化して運用している場合や、原因が明確でないまま圧力低下に関する問題が増えている場合、あるいは設備能力の変更を計画している場合は、専門家によるエネルギー診断の実施を検討することをお勧めします。また、ISO 50001への対応やサステナビリティレポート作成のために、信頼性の高いエネルギーデータが必要な場合にも、専門的なエネルギー診断は有効です。

 

コンプレッサーの更新を検討する時期ではありませんか?

エネルギー診断の結果、最適化を実施した後も現在のコンプレッサーの効率が改善しない場合は、更新を検討する時期かもしれません。アトラスコプコの圧縮空気の専門家が診断結果をもとに、お客様の設備構成や予算に応じて、修理・アップグレード・更新のどれが最適な選択肢かをご提案します。

よくあるご質問

簡易的なエネルギー診断は比較的短時間で実施できる評価であり、通常は専門家が現場を巡回し、目視によって明らかな非効率要因を特定します。一方、 圧縮空気システムの包括的なエネルギー診断は、より詳細な分析を行うため、実施期間やコストも大きくなります。診断には数日から数週間を要する場合があり、流量、圧力、消費電力などを測定する専用機器を用いて、運転データを収集・分析します。比較的シンプルなシステムであれば簡易的なエネルギー診断だけで十分な場合もありますが、複雑なシステムや複数のコンプレッサーで構成されたネットワークでは、包括的なエネルギー診断によってより大きな改善効果が期待できます。

調査によると、一般的な圧縮空気システムでは、生成された圧縮空気の最大3分の1が漏れによって失われている可能性があります。小さな漏れであっても、その空気を圧縮するために必要なエネルギーコストまで考慮すると、年間で大きな損失につながります。漏れ箇所の特定には超音波検査器を活用し、修理の優先順位を決める前に、無負荷時の流量試験によってシステム全体の漏れ量を把握することが重要です。

能力不足への対策としてヘッダー圧力を上げることは、コスト増につながるだけでなく、かえって非効率を招く可能性があります。圧力を高くすると、既存のエア漏れによる損失量も増加し、既存のエア漏れによる損失量も増加し、本来の問題をさらに悪化させてしまいます。重要なのは、能力不足の根本原因を特定し、その原因に対処することです。例えば、実際の供給能力不足、配管系統における圧力損失や流量制限、あるいはシステム設計時の想定を超えるエア需要の増加などが原因として考えられます。

専門家によるエネルギー診断は、複数のコンプレッサーをネットワーク化してを運用している場合に特に大きな効果を発揮します。また、原因不明の圧力低下に関する問題やエネルギーコストの増加が発生している場合、設備能力の変更やコンプレッサーの更新を計画している場合にも有効です。さらに、ISO 50001への対応やサステナビリティレポートの作成に向けて、エネルギー使用状況を裏付ける客観的なデータが必要な場合にも、専門的なエネルギー診断が役立ちます。一方、単体のコンプレッサーで構成された比較的シンプルなシステムであれば、社内でのチェックリストによる確認と定期的な簡易的なエネルギー診断の組み合わせで十分な場合もあります。

体系的なメンテナンスプログラムがなければ、エネルギー診断によって得られた改善効果は、フィルターの目詰まりやドレン排出装置の不具合、小規模な漏れの再発などにより、通常12〜18か月で徐々に失われていきます。効率を維持するためには、フィルター、セパレーター、ドライヤーの定期的な清掃とメンテナンスが不可欠です。また、主要なフィルターの圧力損失を毎月確認するとともに、比エネルギー消費量(kWh/m³)、漏れ率、圧力帯(圧力変動範囲)といった主要KPIを年次でレビューすることで、単なる時間基準の保守ではなく、具体的な成果に基づく継続的な改善を実現できます。